著者略歴

  • 1982 マルキユーに入社 製品開発を行う。
    在職中は「グレパワー」「チヌパワー」など配合エサの開発とともに、業界初となる味と臭いの付いたワーム「エコギアー」の開発に携わる。
  • 2001 世界初の高分子エラストマーによる生分解ワームの開発に携わる。
  • 2020 定年によりマルキユーを退社。チヌ、グレ専用ウキ「彩ウキ」の製造と販売を開始。
  • 現在・フィッシング彩・代表
    東京海洋大学フィッシングカレッヂ講師
    京都府立海洋高校、福井県立若狭高校にて釣りの講義と実習。釣り関係の執筆多数。
  • 著書に「釣りエサのひみつ」つり人社刊  2018 JGFAメジナの認定記録

はじめに

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彩ちゃん
今回はグレの聴覚について
磯の上からの騒音や渡船の音に対して、グレはどのような反応を示すのかしら?
一緒に学んでいきましょう!

陸上と水中 音の伝わり方は?



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超音速旅客機超音速ジェット機・・・よく耳にする音速の単位はマッ
ハと呼ばれている。
因みに超音速というのはマッハ1 よりも速く飛行することを示している。
マッハというのは空気中で1 秒間に進む音の速度を示している。
因みにマッハ1 は秒速約 340m で、若干気温によって異なる。

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彩ちゃん
一方音は水中では1 秒間に約 1500m という速度で伝わる。
即ち約マッハ5 という速度で伝わる。

人と魚の聴覚領域

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彩ちゃん
人と魚類では聞き取れる音の周波数が異なります。
また魚は振動 低周波 も敏感に察知することが知られています。

グレの耳はどこにある?

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Dr. 長岡
さて魚の耳はどこにあるのでしょう。
音を感じる器官の一部である耳石は目の後方、鰓の付け根付近にありま
すが外からは見えません。

口太とオナガ 耳石の違い

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Dr. 長岡
同じサイズのオナガグレとクチブトグレの耳石を比較するとクチブトグレの方が大きいことがわかります。
クチブトグレはオナガグレよりも聴覚への依存度が高いことが伺えます。

摂餌パターンの違いとタナ

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Dr. 長岡
耳石の大きさとタナの関係を示した「耳石マップ」というも
のを作成し表示してみました。
相対的に耳石の小さい魚は動きが早く、逆に大きい魚は動きがあまり早くありません。
また耳石の小さい魚の多くは視覚に依存してエサを探す傾向が強いことが挙げられます。

騒音は気にするのか!

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Dr.長岡
個人的な見解ですが、グレの耳石は磯にいる多種と比較して相対的に中間に位置しています。
船が接近するとその直前には一時的に危険回避行動をとり、その場から離れます。
しかし船が通過するとすぐに何事も無かったかのように元のポジションに戻っています。
磯では物音に対して必要以上に神経質にならなくていいでしょう。
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とても興味のある面白い結果ですね。

第5話の要約

•音は水中では空気中よりも速い速度マッハ 5 で伝わる。
•魚の聴覚領域は人よりも狭い。
•魚の耳は内耳と呼ばれ外からは見えない。
•耳石の大きさは聴覚への依存度を示している。
•オナガグレの耳石はクチブトよりも小さい。従ってクチブトグ
レよりも捕食行動は視覚に依存していると考えられる。
•騒音はあまり気にしなくてもよそさそう。

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彩ちゃん
これでお喋りなわたしも安心ね。

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