著者略歴
- 1982 マルキユーに入社 製品開発を行う。
在職中は「グレパワー」「チヌパワー」など配合エサの開発とともに、業界初となる味と臭いの付いたワーム「エコギアー」の開発に携わる。 - 2001 世界初の高分子エラストマーによる生分解ワームの開発に携わる。
- 2020 定年によりマルキユーを退社。チヌ、グレ専用ウキ「彩ウキ」の製造と販売を開始。
- 現在・フィッシング彩・代表
東京海洋大学フィッシングカレッヂ講師
京都府立海洋高校、福井県立若狭高校にて釣りの講義と実習。釣り関係の執筆多数。 - 著書に「釣りエサのひみつ」つり人社刊 2018 JGFAメジナの認定記録
はじめに
彩ちゃん
グレには釣り糸が見えているの?
グレが好む色って何?
今回は魚の視覚と光の特性について、実験に基づいた結果などを
紹介しま~す(^_-)-☆
グレが好む色って何?
今回は魚の視覚と光の特性について、実験に基づいた結果などを
紹介しま~す(^_-)-☆
光の速度 空中と水中では?
彩ちゃん
光は水中では、その速度が3/4 になって、そのため屈折が生じるらしいの。
屈折によって見え方が変わる?
彩ちゃん
上の写真は水のない状態で容器の下からフィギアを見上げた状態です。
下の写真はその容器に水を張った状態で、同じ角度から撮影しています。
水面下のグレたちは磯の上に立つアングラーが丸見えとなります。
下の写真はその容器に水を張った状態で、同じ角度から撮影しています。
水面下のグレたちは磯の上に立つアングラーが丸見えとなります。
魚から釣り人は良く見える
Dr. 長岡
明るいところから暗いところにあるものは良く見えませんが、
暗いところから明るいところのあるものは良く見えます。
釣りに使うサングラスは、水面の乱反射をカットするため、
水中のものが良く見えます。
魚の目にはこれと似たような機能があり、水面を介した物体が良く見えます。
これらの事から、磯際のグレたちから釣り人は良く見えていると考えられます。
暗いところから明るいところのあるものは良く見えます。
釣りに使うサングラスは、水面の乱反射をカットするため、
水中のものが良く見えます。
魚の目にはこれと似たような機能があり、水面を介した物体が良く見えます。
これらの事から、磯際のグレたちから釣り人は良く見えていると考えられます。
グレは何色を好む?
Dr. 長岡
グレを含めた魚類が色を識別することが出来るのか?
最初に発見したのは1940 年イギリスのフォンフリッシュ博士。
金魚を使って濃淡の異なる色彩の容器と、さらに青色の容器のそれぞれにエサを入れ慣れたところでエサを入れずに容器を置いたところ、金魚は青色の容器に集まってきた。
最初に発見したのは1940 年イギリスのフォンフリッシュ博士。
金魚を使って濃淡の異なる色彩の容器と、さらに青色の容器のそれぞれにエサを入れ慣れたところでエサを入れずに容器を置いたところ、金魚は青色の容器に集まってきた。
Dr. 長岡
近年はさらに多くの魚種が色を識別できていることが判明しています。
色の違いとグレの釣果
Dr. 長岡
水中では青い波長の光の透過率が高い。
(海が青く見えるのはそのため)
従って水中では深度が増すと青っぽく見える。
一方表層にあるエサをグレが下から見た場合、逆光によるシル
エットになり鮮明に見えにくい。
上記の内容と併せ私が確認した限りではグレの釣果は釣りエサの
色に影響されないと考えている。
(海が青く見えるのはそのため)
従って水中では深度が増すと青っぽく見える。
一方表層にあるエサをグレが下から見た場合、逆光によるシル
エットになり鮮明に見えにくい。
上記の内容と併せ私が確認した限りではグレの釣果は釣りエサの
色に影響されないと考えている。
グレに釣り糸は見えるのか?
彩ちゃん
みんなが一番気になるところね。
図のように水槽を泳ぐグレが釣り糸(フロロ 2 号) に
触れると電流が発生しレコーダーに記入できる装置を作り実験した。
グレは水槽の両端に置いたエサを食べたが、釣り糸にはほとんど触れなかった。
このことによりグレはエサを食べるため水槽の両端に移動したが、釣り糸を認識して避けていた。
一方部屋を真っ暗にしたところ、グレはエサを食べていなかった。
ナイターの際に、多少なりとも明るさが必要であると考えられる。
怖がるか怖がらないかが重要!
Dr.長岡
水中撮影のためにケーブルを下した。
するとそれまで撒きエサに群れていたグレは一目散に散ってしまっ
た。ところが 20 分も経過すると何事も無かったかのようにケーブルの周囲に集まってきた。
このことから釣り糸は見えていて、怖がるか怖がらないかが釣果に影響する要因ということになる。
するとそれまで撒きエサに群れていたグレは一目散に散ってしまっ
た。ところが 20 分も経過すると何事も無かったかのようにケーブルの周囲に集まってきた。
このことから釣り糸は見えていて、怖がるか怖がらないかが釣果に影響する要因ということになる。
とても興味のある面白い結果ですね。
第4話の要約
•光は水面で屈折するため釣り人の姿は良く見える。
•水中より陸上の方が明るいため、グレから釣り人の姿はさらに
良く見えている。
•魚類の多くは色を識別している。
•しかしながら水中で深くなると青色に見える。
•浮上してエサを食べるグレにとってエサは逆光となる。
•従って刺しエサのカラーは釣果への影響は少ないと考えられる。
•グレは細い糸も見えている。怖がると警戒してエサを食べにく
くなる。
彩ちゃん
磯際から覗き込まないようにしなくっちゃ。
↓より詳しい内容は、YouTubeチャンネル「彦星フィッシング」で↓